古事記との出逢い


突然だが、古事記という書物を知っていますか?

歴史を扱う劇作家として、日本書紀や古事記について調べようと思った事は数知れずある。

しかし、その度に「難しそうだな…」「今じゃないかもなぁ…」その時が来たら…なんていう気になり敬遠してきたという過去がある。

それがこの度、必然的に劇作の題材として古事記を扱う事が決まった。

つまり、今、きたのだ。その時が。
今しかないかも知れない。そう思うとワクワクしてくる。

そういう瞬間以上に我々作家の好奇心をくすぐるものはないのだ。

強制的にインプットをする為に購入した読みかけの東野圭吾最新作を一気に読み終えると、私は原作となる古事記の入門書を手に取った。

日本という国の始まり、この国の辿った歴史を神話として語る古事記が編纂されたのは西暦700年頃の事だそうだ。

そんな時代から既にファンタジーという概念があったのだと思うと感慨深いものがある。

それに、設定はぶっ飛びながらも話としてはとても面白く、古臭さを全く感じなかった。

これが日本人のルーツであるからなのかは分からないが、読了後は懐かしさと誇らしさが入り混じった複雑な感情になった。

「これこそが全日本人が読むべき本ではないか?」

私は原作を一気に読み終え、プロットという物語の骨子を創る作業に移行し始めながらそう感じていた。

この物語が日の目を見てお客様の目に触れる時が今から待ち遠しくて仕方ない。

この出逢いが、まだ見ぬ何か大きな出来事の幕開けのように感じて仕方ないのだ。





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